マンションの浴室という限られた空間で、清潔さを維持し、嫌な臭いを防ぎ続けるためには、汚れを溜めてから落とすのではなく、汚れが付着する隙を与えないという攻めの姿勢が求められます。まず、入浴後に最も優先すべきは、浴室全体の温度と湿度をいかに早く下げるかという点です。入浴直後は壁や床に温かいお湯が残っていますが、これが原因で浴室内の温度が下がらず、菌の増殖を促してしまいます。お風呂から上がる前に、45度程度の熱いシャワーを全体にかけて石鹸カスを溶かし出した後、すぐに冷水のシャワーに切り替えて浴室内の温度を一気に下げることが効果的です。これにより、カビの胞子が活動を開始するのを防ぐことができます。次に重要なのが、水分の除去です。マンションの浴室は窓がないことが多いため、自然乾燥には時間がかかります。100円ショップなどで販売されているスクイジーを使用して、壁や床の水分をサッと切るだけで、乾燥時間は劇的に短縮されます。このわずか1分の手間に加え、換気扇を24時間回し続けることが、防臭対策の基本中の基本となります。電気代を気にする方もいますが、最新の換気扇であれば1ヶ月つけっぱなしにしても数百円程度の負担であり、カビ取り剤を大量に購入したり、業者に依頼したりする費用に比べれば極めて安上がりな投資です。排水口についても、毎日のルーティンが欠かせません。ゴミ受けに溜まった髪の毛を毎日捨てるのは当然として、週に1度は排水トラップを分解して、パーツのぬめりをスポンジで落としましょう。その際、重曹とクエン酸を混ぜて発泡させるナチュラルクリーニングを行うと、配管内部の微細な汚れまで浮かせて落とすことができ、特有の下水臭を効果的に抑えることができます。また、意外と忘れがちなのが、浴室の扉にある空気の取り入れ口です。ここに埃が溜まると、換気扇を回しても効率的な空気の循環が行われず、湿気がこもってしまいます。月に1回は掃除機で吸い取るか、古い歯ブラシで汚れを掻き出すようにしてください。こうした日々の細かな積み重ねこそが、マンションという密閉された空間においても、常に爽やかで快適なお風呂場を維持するための唯一の方法なのです。
マンションのお風呂を清潔に保ち臭いを発生させないための日々のメンテナンス術