トイレのレバーを操作した時、いつものような「重み」や「手応え」がなく、スカスカと空回りするだけで水が流れない。この症状は、トイレタンク内部で、レバーと排水弁を結ぶ「機械的な連携」が断たれてしまっていることを示す、典型的なサインです。タンクの中には十分に水が溜まっているにもかかわらず、その水を便器に送り出すための「栓」を開けることができない状態なのです。このトラブルの主犯として最も疑わしいのが、洗浄レバーと、タンクの底にある排水口を塞いでいるゴム製の栓「フロートバルブ」とを繋いでいる「鎖(チェーン)」です。この鎖が、何らかの理由で切れてしまったり、レバー側のフックから外れてしまったりすると、レバーをいくら動かしても、その力がフロートバルブに伝わりません。フロートバルブが持ち上がらなければ、当然ながらタンクの水は便器へと流れていかないのです。これは、タンクの蓋を開ければ一目瞭然で、鎖が外れているだけなら、元の位置に引っ掛け直すだけで簡単に修理できます。鎖が適切な長さに調整されておらず、長すぎてたるんでいる場合も、レバーの動きがうまく伝わらず、空回り感の原因となることがあります。次に考えられるのが、「洗浄レバーハンドル自体の破損」です。レバーハンドルは、タンクの内側で「アーム」と呼ばれる部品と繋がっており、このアームがフロートバルブの鎖を引っ張り上げる仕組みになっています。しかし、プラスチック製や金属製のレバーハンドルは、長年の使用による金属疲労や、強い力を加えたことによる負荷で、付け根の部分が折れたり、摩耗して空回りしたりすることがあります。レバーが異常にグラグラする場合や、回してもアームが全く動かない場合は、この可能性が高いでしょう。この場合は、レバーハンドル一式を新しいものに交換する必要があります。部品はホームセンターなどで数千円で購入でき、交換作業も比較的簡単ですが、タンクの型番に合った製品を選ぶことが重要です。これらの機械的な故障は、一見すると深刻なトラブルに思えますが、原因は単純な部品の不具合であることがほとんどです。慌てず、タンクの中を観察し、どこで力の伝達が途切れているのかを探ることが、解決への近道となります。
レバーが空回り?トイレの水が流れない機械的な故障