トイレの水の止まりが悪かったり、水量が少なかったりする際に、浮き玉の調整を試したものの、改善が見られないという経験はありませんか?実は、水のトラブルは浮き玉の不具合だけでなく、他の部品の劣化や故障が原因であることも少なくありません。ここでは、浮き玉調整だけでは直らない場合の他の原因と、その対処法について解説します。 最も頻繁に発生するトラブルの一つが、「ゴムフロート(フロート弁)の劣化」です。ゴムフロートは、タンクの底にあり、便器への排水口を塞いでいるゴム製の部品です。これが劣化して硬くなったり、ひび割れたりすると、水の密閉性が失われ、タンクから便器へ常に水がチョロチョロと流れ続けてしまいます。浮き玉を調整しても水が止まらない場合は、ゴムフロートの状態を確認し、劣化が見られれば交換が必要です。ゴムフロートは、ホームセンターなどで数百円から千円程度で購入でき、DIYでの交換も比較的簡単です。 次に、「ボールタップ本体の故障」も考えられます。ボールタップは、浮き玉と連動して給水弁の開閉を行う装置ですが、内部の部品が摩耗したり、異物が詰まったりすることで、正常に機能しなくなることがあります。例えば、給水が止まらなくなったり、逆に水が出なくなったりする症状が現れます。この場合、ボールタップ本体の交換が必要となります。ボールタップの交換は、給水管の取り外しなども伴うため、DIYに不慣れな場合は専門業者に依頼することをおすすめします。 また、「止水栓の不具合」も水のトラブルの原因となることがあります。止水栓が完全に閉まらない、または十分に開かないといった不具合があると、水の供給に問題が生じます。止水栓の不具合は稀ですが、他の部品を点検しても原因が分からない場合は、確認してみる価値はあります。 さらに、「オーバーフロー管の破損」というケースも考えられます。オーバーフロー管にひび割れや穴が開いていると、そこから水が漏れ出してしまい、水の止まりが悪くなることがあります。この場合も、オーバーフロー管の交換が必要となります。 これらの原因は、浮き玉の調整だけでは解決できません。浮き玉を調整しても状況が改善しない場合は、これらの部品の状態を一つずつ確認し、必要に応じて交換や修理を行うことが、根本的な解決に繋がります。