平日の朝、いつものようにシャワーを浴びようとした瞬間にその悲劇は起こりました。蛇口を全開にしてもお湯に切り替わる気配がなく、氷のような冷水が容赦なく体を叩きます。慌てて台所に向かい、ガスコンロのスイッチを入れると、青い炎が勢いよく立ち上がりました。水も勢いよく出ています。つまり、ガスも水道も死んでいない、原因は給湯器そのものにあるということです。このような状況でパニックにならない方が難しいですが、私はまずリモコンの電源ボタンを確認しました。画面はついており、設定温度も42度になっています。しかし、お湯を出している最中にも関わらず、燃焼を示す炎のマークが表示されていません。これは給湯器が火をつけようとしていない、あるいはつけられない状態にあることを意味します。私は一旦服を着直し、ベランダにある給湯器本体を確認しに行きました。外は風が強く、昨晩の雨の湿気が残っていましたが、目視で確認できる範囲に異常はありません。コンセントが抜けているわけでもなく、排気口に何かが詰まっている様子もありません。次に私が試したのは、インターネットで検索して見つけたリセットという手法です。家の中のリモコンをオフにするだけでなく、外にある給湯器の電源プラグを一度抜き、数分待ってから再び差し込みました。電化製品全般に言えることですが、内部のマイコンが一時的なノイズやバグでフリーズしている場合、この完全な放電が劇的な効果を発揮することがあります。期待を込めて再びシャワーを出してみましたが、無情にも水温は上がりませんでした。そこで改めてリモコンを凝視すると、隅の方で11という数字が小さく点滅しているのに気づきました。メーカーのサポートページで調べると、これは点火不良を指すコードでした。ガスは来ているのにつかないというのは、火花を飛ばすパーツが湿気でやられたか、ガスを送る弁が固着している可能性が高いとのことです。私はここで自力での修理を諦め、ガス会社の修理受付に電話を入れました。幸いにも当日の午後にサービスマンが来てくれることになり、作業を見守っていると、原因はやはり点火装置の経年劣化でした。8年ほど使い続けていたため、火花を飛ばす部分に煤が溜まり、絶縁不良を起こしていたのです。部品の清掃と一部交換で、その日の夕方には無事にお湯が出るようになりました。ガスがついているから大丈夫と思い込まず、給湯器には給湯器専用の点火プロセスがあることを学んだ貴重な経験となりました。